
アクアタイマーは私の最もお気に入りのダイバーズウォッチのひとつで、ダイバーズウォッチ愛好家の間でも非常に人気があります。丸型ケースは大きいものの、水中の高い水圧に耐えるよう堅牢に設計されています。アクアタイマーは大ぶりで頑丈なケースだけでなく、視認性に優れたすっきりとしたダイヤルデザインも特徴です。IWCブティックを訪れるたびにアクアタイマーを購入しようと思ったのですが、手首が細いため装着できず、結局見送りました。その代わりにポルトギーゼ・クロノグラフを購入し、それが私の一番のお気に入りのIWCウォッチになっています。



今回ご紹介するアクアタイマー2000レプリカはV6ファクトリー製で、数年前にリリースされたモデルですが、その美しさに今さらながら驚かされました。おそらく私はこれまでノーブ工場のデイトナやサブマリーナ、パネライなどばかりに目がいっており、この男らしいアクアタイマーを見過ごしていたのでしょう。しかし実際には、注目に値する一本です。


まず、V6ファクトリー製というだけあって、品質は市場の大多数のレプリカを上回っています。ケースは直径44mm、厚さ約15mmの丸型。パネライサブマーシブルではさらに厚型ケースも多いため、厚すぎるわけではありません。ケース側面には複数のリューズとボタンがあり、右側のリューズで時刻・日付を調整します。左側のボタンは本来ヘリウムバルブとして機能しますが、レプリカでは飾りにとどまります。こうしたケースデザインのおかげで、ダイヤルは大きく開放感があります。
ブラックダイヤルは多層構造を採用し、傾斜したインナーベゼルには0〜15分のダイビングスケールがグリーンの夜光塗料で施されています。時針とインデックスには白色の夜光塗料が塗られ、暗所で青く発光。一方、分針とダイビングスケールの0〜15分はグリーンに発光し、高い視認性を確保しています。クリーンなレイアウトでありながら、必要な情報がひと目で読み取れる点が魅力です。
裏蓋はソリッド仕様で、その内部には自動巻きムーブメント「ミヨタ9015」が搭載されています。現在、多くのレプリカ工場がこのムーブメントを採用していますが、ローター音がやや大きいのが玉に瑕です。しかし動作の安定性や精度には定評があり、通常はトラブルも少ないと言われています。なおV6ファクトリーでは、ローターに独自加工を施し、本物のIWCキャリバーにより近づける工夫を行っています。