
以前、当ブログではVS工場がリリースしたオーデマピゲ ロイヤルオーク 15500のレビューと、老舗APS工場との比較記事をお届けしました。VS工場の15500は市場で大絶賛され、一部のディーラーからは「APSを完全に凌駕している」という声すら上がりました。
しかし、長年オーデマピゲ レプリカ市場を牽引してきたAPS工場にも絶対的な強みがあり、新鋭のチャレンジャーであるVS工場とそれぞれ異なる独自の長所を持っています。
今回は、ロイヤルオーク50周年を記念して登場した最新モデル「15510」について、VS工場製の素晴らしい仕上がりを中心に、APS工場製とのディテールの違いを徹底解剖していきます。現在、VS工場からは「ブルーダイヤル」と、今回メインで画像をご紹介する「グリーンダイヤル」がラインナップされています。






文字盤のカラーとタペストリーの質感

VS工場の15510は、深みのあるグリーンダイヤルと爽やかなブルーダイヤルを展開しています。APS工場製のブルーダイヤルと比較すると、VS工場のブルーは「やや明るめのトーン」に仕上がっているのが特徴です。
また、オーデマピゲの代名詞である「グランド・タペストリー」パターンのグリッド彫り込みに関しても、両工場で微細な表現の違いが見られ、VS工場は光の反射を美しく捉える端正なエッジを実現しています。
針の形状とラグのデザイン比較




究極のオーデマピゲ ロイヤルオーク スーパークローンを見極める上で、針やケース形状のミクロな違いは非常に重要です。
- 秒針のテール形状: 中央の秒針の根元部分にご注目ください。APS工場の秒針テールは「長方形」で透かし部分が大きいのに対し、VS工場の秒針テールは「台形」に設計されています。
- ラグの形状: ケースとブレスレットを繋ぐラグの形状にも違いがあります。VS工場のラグはAPSに比べてより大きく、肉厚な造形となっており、腕元での重厚感とマスキュリンな印象を強調しています。
圧倒的な装着感を生む「柔軟なブレスレット」


VS工場製の15500でも高く評価されたポイントですが、今回の15510においても「ブレスレットの設計」は非常に秀逸です。特にケースと接続される「エンドリンク」の可動域が広く、非常に柔軟性が高いため、手首のカーブに吸い付くような極上の装着感を提供してくれます。これは最高ランクのオーデマピゲ 15510 N級品に相応しい素晴らしいディテールです。
核心に迫る「Cal.4302 ムーブメント」の真実


シースルーバックから覗くムーブメントの比較は、最も議論が白熱するポイントです。両工場ともに「Cal.4302」クローンを搭載していますが、明確なアプローチの違いがあります。
- ローターとベアリング: 自動巻きローターの色合いに両者で違いが見られます。VS工場はローターの回転効率と耐久性を高めるため、実機同様の「セラミック製ボールベアリング」を採用していると公表しています。
- テンプの構造: APS工場はウエイトを備えた「真のフリースプラングテンプ」仕様のムーブメントをオプションで提供していますが、VS工場のCal.4302は標準的なテンプ構造を採用しており、厳密な意味でのフリースプラングではありません。
- パワーリザーブ: VS工場は、自社のCal.4302ムーブメントが純正品と同じ「72時間のパワーリザーブ」を達成していると主張しています。レプリカのムーブメントでこれほどのロングパワーリザーブを実現するのは非常に困難とされているため、この野心的なスペックは市場で大きな注目を集めています。
総評として、VS工場の15510は、優れたブレスレットの柔軟性や肉厚なラグの重厚感、そしてセラミックベアリングを採用したムーブメントなど、新鋭ならではの勢いと高い技術力を感じさせる傑作です。APS工場とのライバル関係が、今後もさらなる品質向上をもたらしてくれることでしょう。
A1: 装着感の良さやケースの重厚感、セラミックボールベアリングによるローターの巻き上げ効率を重視する方には「VS工場」がおすすめです。一方、内部ムーブメントのフリースプラング構造など、機械的な構造の完全再現にこだわる方には「APS工場」のフリースプラング版が適しています。
A2: 現在、VS工場からは人気の高い「グリーンダイヤル」と「ブルーダイヤル」の2色がリリースされています。ブルーに関しては、APS工場よりもやや明るいトーンに仕上がっています。
A3: VS工場は純正同等の72時間駆動を公式にアナウンスしています。レプリカ市場において70時間を超えるパワーリザーブは極めて高いハードルですが、VS工場はムーブメント開発において高い技術力を持っているため、実用において非常に長い稼働時間が期待できます。
