騙されるな!新鋭WS工場パテックフィリップ ノーチラス5712 スーパークローンの欠点と市場の真実

WS(左)、PPF(右)

現在、市場で最も熱狂的な人気を集めている複雑機構モデルの一つが、パテックフィリップの「ノーチラス 5712」です。このモデルを巡っては、PPF、OME(現在は閉鎖)、GRといった大手工場に加え、プライベートなカスタマイズ工房が激しい開発競争を繰り広げています。

細部に極限の完成度を求めない方であれば、すでに「V3」へとアップデートされたPPF工場製で十分に満足できるでしょう。しかし、ディテールに徹底的にこだわるマニアにとって、吊るしのPPF製では物足りないのも事実です。だからといって、5712のカスタマイズに手を出すのは非常に複雑で、多くの「落とし穴」が潜んでいるため、初心者には絶対にお勧めできません。

そんな中、先週突如として「WS」という新鋭メーカーが登場し、「重要なアップグレードを複数施した究極の5712をリリースする」と大々的に発表しました。彼らのプロモーション内容に非常に期待していましたが……実際に現物を手にして確認した結果、「これが最高峰とは言えない」と断言せざるを得ません。

本日は、このWS工場製パテックフィリップ レプリカの真実を、プロの厳しい目線で紐解いていきます。

本当に「SW文字盤」を搭載しているのか?

結論から言うと、答えは「No」です。

文字盤全体の質感は本物のSWダイヤルに非常に近く、見栄えは良いのですが、ムーンフェイズ部分が決定的に異なります。本物のSW文字盤を搭載したPPF製の5712と比較すると、WS工場製のムーンフェイズは「背景の青みが強すぎる」うえに「星のサイズが大きすぎる」ため、洗練された印象に欠けます。

また、針の根元は確かにソリッド化されているものの、針自体の形状が正確ではありません。真のパテックフィリップ ノーチラススーパークローンを名乗るには、こうした微細なディテールの詰めが甘いと言わざるを得ません。

「ワシのくちばし」型ラグは本当に完璧か?

工場側は「完璧なイーグルビーク型ラグを忠実に再現した」と主張しています。

確かに、標準的なノーチラス レプリカの中ではラグの形状が改善されており、綺麗なカーブを描いています。しかし、高額な「CNC削り出しカスタムケース」のラグと比較すると、WSのラグ形状は決して完璧とは言えません。妥協を許さないハイエンドコレクターの目をごまかすことはできないレベルです。

Cal.240 ムーブメントのエングレービング

WS工場
PPF工場

搭載されているマイクロローター式ムーブメントの比較です。

PPF工場も以前、ムーブメントの刻印をアップグレードしましたが、WS工場の刻印と比較するとPPFはやや細く浅い印象を受けます。その点ではWSの方が深く太い刻印を持っていますが、どちらの工場も、純正のムーブメントに見られるような「整然とした美しさ」には到達していません。最高ランクのパテックフィリップ N級品としては、さらなる技術革新が求められます。

総評:高額な投資に見合う価値はあるか?

WS工場製 5712のケース厚は「約8.6mm」に抑えられており、時計全体として見れば決して悪い出来ではありません。しかし、彼らが豪語するほどの「完璧なアップグレード」には至っておらず、誇大広告の感が否めません。

結論として、このモデルに高額なお金を支払うことはお勧めしません。現時点では、信頼性の高く価格もこなれたPPF製を選ぶか、リスクを承知の上で信頼できるディーラーを通じて慎重にカスタマイズ(CNCケースやSW文字盤の組み込み)を行う方が、はるかに賢明な選択と言えるでしょう。

Q1: ノーチラス 5712のレプリカで、初心者におすすめの工場はどこですか?

A1: 細部への極端なこだわりがない限り、安定した品質と実績を誇る「PPF工場(V3エディション)」のモデルが最も無難でコストパフォーマンスが高く、おすすめです。

Q2: WS工場の5712は「SW文字盤」を使用していますか?

A2: 工場側はプロモーションでそう主張していますが、実際には異なります。全体の質感は似ているものの、ムーンフェイズの背景の色合いや星の大きさなどに明らかな違いがあり、本物のSW文字盤ほどのクオリティには達していません。

Q3: 5712のカスタマイズはおすすめですか?

A3: カスタム市場は非常に複雑で、粗悪なパーツの混入や不当な高額請求などの「罠」が多く存在します。時計の構造やパーツに関する深い知識がない初心者には絶対にお勧めしません。信頼できるプロのディーラーを通すことが必須です。

Q4: WS工場の5712のケースの厚さはどれくらいですか?

A4: 実測で「約8.6mm」です。複雑機構を搭載しながら薄型のプロポーションとしては健闘していますが、総合的な完成度や高額な価格設定を考慮すると、手放しで絶賛できるレベルではありません。

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